博士課程、3年目(最終年)

 

学位取得、私の好きな言葉です。

 

この記事は社会人学生Advent Calendarの10日目です。

昨年、 一昨年に引き続き、望月紅葉さんと幸せな家庭を築きたいさん、ありがとうございます。

adventar.org

 

 

1. 簡単な自己紹介

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 一応、国内資本でソコソコ大きな企業(従業者でいうと1000人以上ぐらい)の研究開発部門(笑)に数年ほど在籍しています。

 また2019年10月から2022年9月まで某大学院の博士後期課程に在籍していました。博士課程の専攻分野は機械工学系?、だと思います...(自信なし)。

 

一昨年の記事はこちら。

koryor.hatenablog.com

昨年度の記事はこちら。

koryor.hatenablog.com

ちなみにtwitterのアイコンは装甲悪鬼村正の綾弥、アドベントカレンダーのほうはClover Pointの'よるよる'です(超早口)。

 

一応、昨年度の続きから書いていきたいと思います。

 

2. 研究関係

昨年の記事で博士後期課程の最後のチャレンジとして、もう1本、原著論文を投稿しました(注10月入学です)。自分としては、最も良い雑誌に投稿したので、不安でソワソワ状態です」ということを書いていましたが、さっそく年末に結果が返ってきました。

掲載拒否、私の苦手な言葉です。

そんなこんなで、今までも掲載されたことがある別の欧文誌(知名度超微妙)に投稿、なんとか修了までにアクセプトされました (ちょっとギリギリの6月)。

 博士課程修了までに筆頭で6本査読付き論文が掲載されましたが、掲載された雑誌的に満足がいくものではありませんでした(* 1本はshort communication, 2本は博士課程入学前)。これは自分の実力不足は当然なんですが、論文の投稿戦略も不味かったのも一因だったのかなぁと。(相対的に)成果が優れた論文を何故か微妙な雑誌にだして、成果的に微妙な論文を、分野的にソコソコ歴史のある雑誌にだしてリジェクト食らっているので、結果論かもしれませんが戦略的にオワッテいました。ここら辺は、研究計画とか時間とかをきっちりマネージメントすればなんとかなった気もするので、反省すべきポイントだと思っています。

 結局、博士課程全体を通して自分の所属する分野の研究者に自分の研究を知ってもらうには、ちょっとインパクト不足になってしまいました。

正直悔しい...。

まだまだ研究アイディアはあるので、今後、機会があればリベンジをしたいとは思っています。

 

3.博士論文

 博士論文に関しては6本目の論文の投稿が終わって、年末ぐらいから書き始めました(D3になって2か月ぐらい)。多くの先輩方の例にもれず、博論は今までの投稿論文を単に集めたものではなく、一つのストーリとして完結していることが求められました。特に1年上の先輩はだいぶ苦労したそうで、副査の先生からかなり注文がきた結果、論文が一度完成してから大幅な書き直しを強いられたそうです。そのため、指導教官と論文の構成はかなり練ったうえで博論の執筆をしました。

 結果として、副査の先生から全体ストーリーに関してそこまで詰められることはなかったのですが、複数の論文の繋ぎをよくするために大量の新規図の作成が必要になり、そちらで疲弊することに。しかも短い一冊の本を書くのに相当する文章量、何十回読み返しても誤植、表記ゆれ、ミスだらけ...。良い経験になりました。

 副査の先生のコメントで「意味不明(意訳)」とか「それで何が言いたいのココ?」とか、これまでに経験したことないぐらいあちこちでボコボコにされたので、2度と経験したくないですが...。

 というか、世にいる2, 300 ページの博論書いている人たちって、化物なんでしょうか? 私の博論、100ページもないのに、いっぱいいっぱいですよ。途中から寝不足や疲労で、鼻血が出そうな感覚が常にありました。

 ちなみに所属した研究室の博士課程で研究内容が最も近い人(修了は10年前)と比較したら、質、量ともに圧倒的に私の博論のほうが優れているので(注:自己評価です)、一応、お情けで修了させてくれたわけではないなぁとは思っています。なお、その人よりも業績を沢山残し、充実した博論を書くのは、博士入学時に自分が自分に課したノルマでもありました(勝手なライバル視)。いつだったか指導教官からは、ただの会社員がフルタイムで研究している人と張り合うのは無謀と言われた記憶もありますが、この目標はおおむね達成できたとは思っています。

 支えてくれた妻に圧倒的感謝。

 

4. 就職活動

 学生の最終年度の恒例行事といえば、そう就職活動です。え?、すでに就職しているって?知らんがな。現職への忠誠/Zero.

 就職活動なんて、8年ぶり?だし、当時は大学に来ていた求人から選んでいただけなので、サッパリサッパリ。博士の専門に近い分野をやっている会社は、研究開発部門の中途なんてめったに募集していないので、普通の 転職 就職活動を試みます。

 とりあえず年始にlinkedinとbizreachに登録してみました。「年収600万円以上のハイクラス求人多数」とか「linkedinを使った転職術!!、年収 X00 万円アップ」とかよく見かけるじゃないですか。ワクワクが止まらない。しかしながらメッセージが来るのは「資産形成に不動産買いませんか?(linkedin)」とか「データサイエンティストになりませんか?(bizreach)」とか「AIベンチャーで働きませんか?(bizreach)」とかそんなのばっかり。ワイ、AIは趣味って言っているやろ(白目)。専門全然ちゃうからな。

 需要が多い業界はいいなぁー(無いものねだり)

 ますます自分の専門が分からなくなるこの状況、なぜかオファーが来た割と有名なAIベンチャー(タブン)のカジュアル面談を一度だけ受けてみるも、「あ、向こうが求めているスキルが全然合わないな....」というのを感じ取ってしまう(注:現職の業務内容はパワポ芸人です)向こうの担当者(結構お偉いさんだった気がする)もワイの話を聞いて頭抱えていました (画面越しに本当にそんな仕草していた)。結局、その会社へ応募せず...、ご縁はありませんでした。貴重ナ時間ヲ使ッテイタダキ, アリガトウゴザイマシタ。

 次に同僚で会社を辞める人(優秀)がいましたので、その人が使った転職エージェントを紹介してもらいました。その転職エージェントの履歴書と職務経歴書のテンプレートがあったのですが、そのテンプレートの質問?みたいなのに馬鹿正直に答えると、メチャクチャ無能な人になっちゃいました。(業務内容的にビジネスインパクトを金額で表せとか無理や。) さすがにそれだと不味いので、論文数や特許取得数、研究者としてのアピールポイントを特記事項みたいなところに書いて面談をしました。面談後、マッチしそうな求人があったら、連絡してくる...みたいなことを言っていました。しかし一度だけ「貴様ら俺の話を聞いていたか?」って言いたくなるような仕事内容もミスマッチで待遇も残念な求人を紹介してくれただけで、2度と連絡が来ることはありませんでした...orz

 博士(修了見込)だけじゃ、転職市場で評価されるとは限らない、これが社会の現実。

この踏んだり蹴ったりの状態に心が折れ、とりあえず就職活動をあきらめたのが3月、そのあとは博論の合間に、jrec-inの求人だけボーって眺めていました。

 そんなこんな博士論文と延々と格闘を続けていた5月、偶然にも博士の専門にソコソコ近い研究員の募集が出ているのを見つけます。

 めちゃくちゃ行きたい...。

 履歴書他、諸々の提出が6月、筆記試験が7月、面接が8月上旬という博論の予定と完全に被っている日程、なぜか会社の仕事の山場も8月上旬に被るという素敵な状況でした。そんな状況でしたが、妻と相談して受けることに(圧倒的感謝)。妻もいろいろ協力してくれましたが、筆記試験や面接の準備もする必要があったし、ただでさえ悪い体調がさらに悪くなりました...。後、過去の論文の写しも提出を求められたんですけど、イチイチ印刷するのメチャクチャメンドイナ。

 何故乗り切れたかは分かりませんが、面接会場にたどり着くこともできましたし、なんとか博士の学位も取ることができました。

 

 

そして、こんな舐め腐ったことを書いているワイの未来はどっちだ?(まだ、前の会社に在籍中)

 

5. 博士を取得して

 6ー8月が忙しすぎた結果、シンウルトラマン、映画館で見れなかった。無念。結局amazon primeでみた。

 博士をとりましたが、正直自分の実力が付いたのかはよく分かりません。博士課程でやっていたのは、インプットでなくアウトプットメインだったので、知識面でなにか専門の知識が大幅に増えたわけでもないのも大きいと思います。大学も入学と博論公聴会含めて、15回ぐらいしか行っていないですし、正直実感がないです。

 ただし、(会社外での) 周囲の見る目は多少は変わったのかなぁと思います。査読の依頼が来たり、 学会の雑務を押し付け 学会の委員の就任依頼が来たり。正直、青二才で会社員の私に回ってくる時点で、学会のアカデミック人材の枯渇具合がヤバそうな気もしますが....(実際、会員数は減少傾向)。そんなこんなで一応は専門家扱いされるようになった気がします。まだまだ実力が足りていないので、周囲の期待?には応えられるようにこれからも頑張っていきたいですね。

 また博士課程修了後は、家族旅行を久しぶりにしたり、子供たちと遊びに行ったり、積んでいた新書を消化したりしていました。後、前より家事をする時間がむちゃくちゃ増えています(妻的にはまだ不十分だそうですが..)。

 睡眠時間も増えて体調もだいぶ良くなりましたし、現状、勉学的にダラケきっているので、ちょいちょい勉強や研究を再開したいなぁと思っています。