書評:アケメネス朝ペルシア-史上初の世界帝国

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 なんと、日本語でアケメネス朝の通史が発売されるとは....、それだけでも十分に価値が。

学生時代、意味も無く、アケメネス朝の歴代の王を丸暗記したのを思い出します。

 

 史上発の世界帝国、アケメネス朝について、歴代の王毎に歴史をまとめた書籍。

世界史ではどちらかというと、ギリシャアレキサンダー大王の引き立て役としての出番が多かったアケメネス朝について、ギリシャ以外の資料も参考に解説されている。

 とは言うものの、時代が時代、中国では春秋戦国に当たるような大昔の帝国だけに、歴史資料の偏りが多く、「諸説あります」というのが多々出てくるのは仕方が無し。

 高校レベルの教科書で常識のように書かれている「アケメネス朝は宗教的に寛容」というのが、ユダヤ人から見た一側面にすぎないというのは新鮮。そしてアケメネス朝の前のメディア王国が本当に存在したかどうかすら怪しいとは…。高校の教科書やと無茶苦茶でかい領土もってたやん!

 

 残念なのは、広大な帝国の西半分に記述が偏っていること。これは歴史資料の偏りからも、読者の興味の方向性からしても、仕方がない部分かもしれません。

私としては、もっと知りたかった部分ではあるのですが。