Fusion360のモデルをPowerPointで使う

 


Fusion360のモデルをエクスポートするとパワーポイントで使用することができます。

パワーポイントでは拡大、縮小、回転、簡単なアニメーションが可能です。

使用verはFusion 360 2.0.17954, PowerPoint2021, OSはwindows11

Fusion360のメニューバー 「▼」内にある「エクスポート」を選択するだけです。

 

パワーポイントで使用できるのを確認できたファイル形式は、3MF, FBX, OBJ, STL

エクスポートしたファイルをパワーポイントにドラックドロップや挿入するとok

 

実際に確認してみます。

 

下の画像はFusion360スクリーンショット

ソリッドでモデリングをしていて、光沢のある色を付けています。

 

次がパワーポイントに取り込んだ3Dモデル



3mfは色をある程度再現できています。

一方、fbxは色が崩れています。

obj, stlは色情報が完璧に消えています。

回転、縮小、拡大はどの形式でもできていました。

ちなみにPowerPointだけでなく、Wordでも表示可能でした。

 

社D終わって1年経ちました ~会社員から公設試への転職~

この記事は社会人学生Advent Calendar 2023の7日目です。

社会人学生が終わって1年以上経っていますが、今年も書かせてもらいます。

adventar.org

目次

1.自己紹介

しゅんしんくん、現在34歳です。

twitter.com

ちなみに去年の記事はこちらです。

koryor.hatenablog.com

 

人生的にはこんな感じです。年表にして振り返るとイロイロ見えてくるものもありますね。

・1989年   誕生

・2015年3月  修士修了 (工学研究科, 化学系)

・2015年4月  新卒で某企業に就職(研究開発部門配属)

・2016年   結婚

・2017年      第1子誕生

・2019年      第2子誕生

・2019年10月 社会人学生開始(工学, 機械工学系, 博士課程)

・2022年9月   博士課程修了

・2023年3月   新卒で入社した会社を退職

・2023年4月   公設試験研究機関に研究職員として採用(機械工学系)

   現在に至る

 

改めて振り返ってみても、2019年の第2子誕生と社D入学が被っているあたりや、2022年の博士課程修了直前と公設試験研究機関の採用試験が被っているあたりは狂っていたような気がします。会社員の仕事もゲキヤバだった時期でしたし(特に2019年)。

もう2度と経験したくないですね。

 

ちょっと今後の話にも関係してくるので、博士課程最終年(D3)あたりの時系列をまとめるとこんな感じです。前回の記事も参照。

・2022年10月    D3になる(注 秋入学です)

・2023年1月上旬 博士論文を執筆開始

・2023年1月中旬 転職活動開始

・2023年3月下旬 手ごたえのなさに転職活動中断、博論に専念を決意

・2023年5月   現職の募集を偶然発見

・2023年6月   現職へ応募、博論の1次審査の提出期限

・2023年7月   現職の1次試験(筆記)

・2023年8月上旬 現職の2次試験(面接)、博論公聴会

・2023年8月下旬 博論最終提出

・2023年9月   現職の採用が内定、学位記が着払いで送付(博士課程修了)

 

ちなみに、この間は当時所属していた会社で勤務していました。常に体調が悪かった気がします...。

 (注 イメージ図です)

2. 公設試験研究機関?

 おそらくはあまり馴染みがない人が多いと思いますので、まず公設試験研究機関(公設試)について説明します。主に都道府県(稀に市)によって設置され、地域産業振興を目的とした試験研究、技術指導などを行う研究機関になります。私は工業系ですが、農業系、保健系等分野もあります。一機関あたりの研究職員は多くないですけど(概ね50人未満)、47都道府県、全部合算すると結構な人数がいるはずです。結構人数がいる割に、公設試の情報ってネット上だと少ない印象はあります。

 ちなみに工業系の公設試だと安価に試験機を使用させてくるので、自身で試験機を用意することが難しい中小企業では凄く便利です。(農業系とかは細かい事情を知らないのでワカリマセン)

 採用方法としては、地方自治体が技術系職員として一括で採用した後に配属で振り分けるパターン、公設試として独自の採用をするパターンがあり、私の場合は後者でした。研究職員の数も限られており、毎年採用をするわけではないので、修了年に募集あったのはラッキーでした。また分野にもよりますが、倍率は低い場合も多く、私の場合も競争倍率は、メチャクチャ低かったです(ただし競争相手がいなかったわけではない)。機械系より就職が厳しめな化学系、バイオ系は競争厳しそうでした。(新卒の時の悪夢が...)。ちなみに入ってみると、旧帝大修士卒の人が多かったので、倍率は低くても、要求水準はそれなりに高いのかもしれません。

 試験ですが私の場合、一次試験が筆記試験で、二次試験が面接試験でした。ここら辺は普通の公務員の試験と同じですね(タブン...,当然試験方式は機関によって違います)。アフター5は博論執筆中のため、筆記試験の準備はほとんどできず、仕事の間の昼休みにヤマ勘で出そうと思ったところだけ教科書の練習問題を解いただけで臨みました(1日30分)。偶然、勘があたって超ラッキーでした。きっと上司には昼休みにも勉強する熱心な社員に見えたことでしょう。

 多くの場合、公設試の職員は地方公務員ということになります(私も一応、地方公務員扱い、ただし地方独立行政法人の公設試も徐々に増えている)。任期付き職員も数としては多くなく、雇用としては安定しています(妻子持ちで任期付きに転職とか妻に許可されるハズもなく...)。

 そして名前の通り、研究機関ですので、科研費も出せるところが多いです。

 ただし、定年までずっと研究ができるかというとそうでもない場合もあり、行政職に配置転換等もあるようです(公設試によります)。これも公設試によっても違いますが、研究に対するガチ度は国研や大学と比べてあまり高くないです。例えば公設試の研究職員の中には査読論文を出したことない人もかなり多いです。

(注 論文を書いていないからと言って、その人に能力がないかは別問題で、技術指導など別方面に力を入れている人もいたり、そもそも組織としてあまり査読論文自体を評価していない公設試もあるので、査読論文を書くインセンティブがない場合も...、論文書けば偉いってわけではないですね。大学教員とかでも同じだとは思いますが...。また研究に力を入れているところ、それ以外に力を入れているところなど、公設試によっても方針は様々なようです。)

 

まだ少数派ですが、博士取得後に公設試を就職先に選ぶ人も徐々に増えているとのこと。あとはポストドクターや若手の大学教員の人が転職先として選んだりとかも聞いたことはありますね。

3. 社会人学生(博士の学位)は転職に役に立ったか?

 結論から言うと、あまり役に立った印象はなかったです。

 公設試験研究機関、「研究」とついていますが、一部の例外を除いて博士は必要ないです。多くの場合、受験資格は修士修了、場合によっては学士でも可のところもありました。実際に同時に採用された人で博士を持っていない人のほうが多数でした。採用されたところ以外にも、ほかの公設試も受けようとしたのですが、年齢制限で引っかかって、そもそもの受験資格自体が私に無いところも多かったです。

 なので公設試(地方公務員)に採用されて安定した雇用のゲットを目指すだけなら、社会人学生として博士課程にワザワザ進学したのは、単なる遠回りだったと思います。むしろ年齢制限の分、選択肢が狭まってマイナス?

 

一応、全く役に立たなかったと言えば、そういうわけでもなく...

[1]博士課程に進学したからこそ、公設試に就職するという選択肢が自分の視野に入った。(HPで採用情報を見つけたのは偶然でしたが...)

[2]化学系の修士修了→機械工学の博士修了と、(結果的に)競争率の低い分野に鞍替えすることができた。

[3]博士の研究あったからこそ、就職試験時の面接、筆記双方でうまく回答できたことが設問があった。

[4]2次試験(面接)では研究実績もアピールポイントになった。

 

というように、(ちょびっとだけ)プラス面があったのは確かです。

 一方、去年のアドベントカレンダーでも書きましたが、民間の転職活動での評価は散々で、bizreachでは自分の専門分野に関する転職オファーはゼロでした。博士だからといって特別に声をかけてもらったようなことも無かったですね。

 博士修了だから必ず評価されるわけではない。このことはこれからも肝に銘じておきたい。

ちなみに転職して給料は下がりました。

金銭的なコストパフォーマンスからいうと、私の社会人学生&転職活動は最悪です。入学金&学費、3年間で約200万円だして、ワザワザ時間をかけて転職活動までやって給料下がってますからね。

 (注 イメージ図です)

 

ただし全国転勤の可能性は、なくなったというメリットはあります。(県内の転勤の可能性はありますが...)

 

4. 社会人学生の経験は仕事に役に立っているか?

 まず組織外では、学会から無給ボランティアの面倒事を押し付けられたり、学会の役員の就任依頼が来たり、査読依頼を受けたり、研究会に参加すると顔見知りが増えたり、社会人学生で出来た人脈・対外的な評価はメチャクチャ役に立っています。

 また転職先(公設試)でも社会人ドクターの経験はメチャクチャ役に立っています。社会人ドクターで何度も繰り返した先行研究を調べて、問いを立てて、解決し、報告をまとめるというのは今の仕事そのものです。

 さらに自分の所属する公設試で博士号をもっているのは、半分に満たない程度で、旧帝大修士では学歴的なアドバンテージはないに等しいのですが、博士号持ちには一目置かれる環境でした。博士号取得者も修士で採用されて、ある程度キャリアを積んでから博士号を取る例が非常に多いので、博士号持ちというので、初期の段階からその分野の専門家としての扱いは受けました。(当然ながら期待に沿える活躍ができなければ徐々に評価が下がって...[以下略]) 

 そもそも今の職場に転職したきっかけもやりたい研究があり、それを実現するのに必要な実験機材もそろっていて、その研究テーマ(に近い内容)をちょろっとだけやっていたからです。そういう意味ではやりたいテーマを見つけて、それができるところに転職したので、社会人学生を通じて夢を叶えたとも言えるのかもしれません。趣味が仕事になっただけとも。

 ただ、組織に所属するのが目的でなく、その組織内でやりたいことを成し遂げてこそ、はじめて目的が達成したともいえます。実際、今そのテーマにやっと少しだけ取り組み始めた段階です。なので、真の目標達成まで、まだまだ道半ばですね。

 

5. 終わりに

 私自身、社会人学生を通じてスキルは身についたし、研究を仕事とする夢も叶えることができました。社会人学生(ドクター)をやって本当によかったと思っています!

 

「もう一回社会人学生ヤリタイかも....」

 

 

 

 

 

ってつい先日いったところ、奥さんから

「絶対に許可しない(怒)」

と厳しい回答が...

隙あらば狙っているけどね。

博士課程、3年目(最終年)

 

学位取得、私の好きな言葉です。

 

この記事は社会人学生Advent Calendarの10日目です。

昨年、 一昨年に引き続き、望月紅葉さんと幸せな家庭を築きたいさん、ありがとうございます。

adventar.org

 

 

1. 簡単な自己紹介

twitter.com

 

 一応、国内資本でソコソコ大きな企業(従業者でいうと1000人以上ぐらい)の研究開発部門(笑)に数年ほど在籍しています。

 また2019年10月から2022年9月まで某大学院の博士後期課程に在籍していました。博士課程の専攻分野は機械工学系?、だと思います...(自信なし)。

 

一昨年の記事はこちら。

koryor.hatenablog.com

昨年度の記事はこちら。

koryor.hatenablog.com

ちなみにtwitterのアイコンは装甲悪鬼村正の綾弥、アドベントカレンダーのほうはClover Pointの'よるよる'です(超早口)。

 

一応、昨年度の続きから書いていきたいと思います。

 

2. 研究関係

昨年の記事で博士後期課程の最後のチャレンジとして、もう1本、原著論文を投稿しました(注10月入学です)。自分としては、最も良い雑誌に投稿したので、不安でソワソワ状態です」ということを書いていましたが、さっそく年末に結果が返ってきました。

掲載拒否、私の苦手な言葉です。

そんなこんなで、今までも掲載されたことがある別の欧文誌(知名度超微妙)に投稿、なんとか修了までにアクセプトされました (ちょっとギリギリの6月)。

 博士課程修了までに筆頭で6本査読付き論文が掲載されましたが、掲載された雑誌的に満足がいくものではありませんでした(* 1本はshort communication, 2本は博士課程入学前)。これは自分の実力不足は当然なんですが、論文の投稿戦略も不味かったのも一因だったのかなぁと。(相対的に)成果が優れた論文を何故か微妙な雑誌にだして、成果的に微妙な論文を、分野的にソコソコ歴史のある雑誌にだしてリジェクト食らっているので、結果論かもしれませんが戦略的にオワッテいました。ここら辺は、研究計画とか時間とかをきっちりマネージメントすればなんとかなった気もするので、反省すべきポイントだと思っています。

 結局、博士課程全体を通して自分の所属する分野の研究者に自分の研究を知ってもらうには、ちょっとインパクト不足になってしまいました。

正直悔しい...。

まだまだ研究アイディアはあるので、今後、機会があればリベンジをしたいとは思っています。

 

3.博士論文

 博士論文に関しては6本目の論文の投稿が終わって、年末ぐらいから書き始めました(D3になって2か月ぐらい)。多くの先輩方の例にもれず、博論は今までの投稿論文を単に集めたものではなく、一つのストーリとして完結していることが求められました。特に1年上の先輩はだいぶ苦労したそうで、副査の先生からかなり注文がきた結果、論文が一度完成してから大幅な書き直しを強いられたそうです。そのため、指導教官と論文の構成はかなり練ったうえで博論の執筆をしました。

 結果として、副査の先生から全体ストーリーに関してそこまで詰められることはなかったのですが、複数の論文の繋ぎをよくするために大量の新規図の作成が必要になり、そちらで疲弊することに。しかも短い一冊の本を書くのに相当する文章量、何十回読み返しても誤植、表記ゆれ、ミスだらけ...。良い経験になりました。

 副査の先生のコメントで「意味不明(意訳)」とか「それで何が言いたいのココ?」とか、これまでに経験したことないぐらいあちこちでボコボコにされたので、2度と経験したくないですが...。

 というか、世にいる2, 300 ページの博論書いている人たちって、化物なんでしょうか? 私の博論、100ページもないのに、いっぱいいっぱいですよ。途中から寝不足や疲労で、鼻血が出そうな感覚が常にありました。

 ちなみに所属した研究室の博士課程で研究内容が最も近い人(修了は10年前)と比較したら、質、量ともに圧倒的に私の博論のほうが優れているので(注:自己評価です)、一応、お情けで修了させてくれたわけではないなぁとは思っています。なお、その人よりも業績を沢山残し、充実した博論を書くのは、博士入学時に自分が自分に課したノルマでもありました(勝手なライバル視)。いつだったか指導教官からは、ただの会社員がフルタイムで研究している人と張り合うのは無謀と言われた記憶もありますが、この目標はおおむね達成できたとは思っています。

 支えてくれた妻に圧倒的感謝。

 

4. 就職活動

 学生の最終年度の恒例行事といえば、そう就職活動です。え?、すでに就職しているって?知らんがな。現職への忠誠/Zero.

 就職活動なんて、8年ぶり?だし、当時は大学に来ていた求人から選んでいただけなので、サッパリサッパリ。博士の専門に近い分野をやっている会社は、研究開発部門の中途なんてめったに募集していないので、普通の 転職 就職活動を試みます。

 とりあえず年始にlinkedinとbizreachに登録してみました。「年収600万円以上のハイクラス求人多数」とか「linkedinを使った転職術!!、年収 X00 万円アップ」とかよく見かけるじゃないですか。ワクワクが止まらない。しかしながらメッセージが来るのは「資産形成に不動産買いませんか?(linkedin)」とか「データサイエンティストになりませんか?(bizreach)」とか「AIベンチャーで働きませんか?(bizreach)」とかそんなのばっかり。ワイ、AIは趣味って言っているやろ(白目)。専門全然ちゃうからな。

 需要が多い業界はいいなぁー(無いものねだり)

 ますます自分の専門が分からなくなるこの状況、なぜかオファーが来た割と有名なAIベンチャー(タブン)のカジュアル面談を一度だけ受けてみるも、「あ、向こうが求めているスキルが全然合わないな....」というのを感じ取ってしまう(注:現職の業務内容はパワポ芸人です)向こうの担当者(結構お偉いさんだった気がする)もワイの話を聞いて頭抱えていました (画面越しに本当にそんな仕草していた)。結局、その会社へ応募せず...、ご縁はありませんでした。貴重ナ時間ヲ使ッテイタダキ, アリガトウゴザイマシタ。

 次に同僚で会社を辞める人(優秀)がいましたので、その人が使った転職エージェントを紹介してもらいました。その転職エージェントの履歴書と職務経歴書のテンプレートがあったのですが、そのテンプレートの質問?みたいなのに馬鹿正直に答えると、メチャクチャ無能な人になっちゃいました。(業務内容的にビジネスインパクトを金額で表せとか無理や。) さすがにそれだと不味いので、論文数や特許取得数、研究者としてのアピールポイントを特記事項みたいなところに書いて面談をしました。面談後、マッチしそうな求人があったら、連絡してくる...みたいなことを言っていました。しかし一度だけ「貴様ら俺の話を聞いていたか?」って言いたくなるような仕事内容もミスマッチで待遇も残念な求人を紹介してくれただけで、2度と連絡が来ることはありませんでした...orz

 博士(修了見込)だけじゃ、転職市場で評価されるとは限らない、これが社会の現実。

この踏んだり蹴ったりの状態に心が折れ、とりあえず就職活動をあきらめたのが3月、そのあとは博論の合間に、jrec-inの求人だけボーって眺めていました。

 そんなこんな博士論文と延々と格闘を続けていた5月、偶然にも博士の専門にソコソコ近い研究員の募集が出ているのを見つけます。

 めちゃくちゃ行きたい...。

 履歴書他、諸々の提出が6月、筆記試験が7月、面接が8月上旬という博論の予定と完全に被っている日程、なぜか会社の仕事の山場も8月上旬に被るという素敵な状況でした。そんな状況でしたが、妻と相談して受けることに(圧倒的感謝)。妻もいろいろ協力してくれましたが、筆記試験や面接の準備もする必要があったし、ただでさえ悪い体調がさらに悪くなりました...。後、過去の論文の写しも提出を求められたんですけど、イチイチ印刷するのメチャクチャメンドイナ。

 何故乗り切れたかは分かりませんが、面接会場にたどり着くこともできましたし、なんとか博士の学位も取ることができました。

 

 

そして、こんな舐め腐ったことを書いているワイの未来はどっちだ?(まだ、前の会社に在籍中)

 

5. 博士を取得して

 6ー8月が忙しすぎた結果、シンウルトラマン、映画館で見れなかった。無念。結局amazon primeでみた。

 博士をとりましたが、正直自分の実力が付いたのかはよく分かりません。博士課程でやっていたのは、インプットでなくアウトプットメインだったので、知識面でなにか専門の知識が大幅に増えたわけでもないのも大きいと思います。大学も入学と博論公聴会含めて、15回ぐらいしか行っていないですし、正直実感がないです。

 ただし、(会社外での) 周囲の見る目は多少は変わったのかなぁと思います。査読の依頼が来たり、 学会の雑務を押し付け 学会の委員の就任依頼が来たり。正直、青二才で会社員の私に回ってくる時点で、学会のアカデミック人材の枯渇具合がヤバそうな気もしますが....(実際、会員数は減少傾向)。そんなこんなで一応は専門家扱いされるようになった気がします。まだまだ実力が足りていないので、周囲の期待?には応えられるようにこれからも頑張っていきたいですね。

 また博士課程修了後は、家族旅行を久しぶりにしたり、子供たちと遊びに行ったり、積んでいた新書を消化したりしていました。後、前より家事をする時間がむちゃくちゃ増えています(妻的にはまだ不十分だそうですが..)。

 睡眠時間も増えて体調もだいぶ良くなりましたし、現状、勉学的にダラケきっているので、ちょいちょい勉強や研究を再開したいなぁと思っています。

社会人ドクター 2年終了しちゃったよ。

この記事は社会人学生 Advent Calendar 2021 18日目の記事です。

adventar.org

 

昨年に引き続き望月紅葉さんと幸せな博士課程を築きたい (@momiji_fullmoon) | Twitterさんありがとうございます。

(どうやら)年齢も同じぐらいで、D3いうのも私と同じなので、論文アクセプトしたetc.のtwitterの投稿を目にするたびに、自分も頑張らないとなと励みになっています。

(注 私は10月入学なので、半年入学が遅いです)

他の人の記事を見ても、なんかすごい人ばかりで(語彙力不足)圧倒されます。

 

 

twitter.com

昨年の記事はこちら

 

昨年度は結局、入学するまでの内容がほとんどだったので、入学後の内容をメインに書いていきたいと思います。あまりオチはないですが...他の人の参考になる部分があれば…。

 

 

授業

 博士後期、しかも社会人ドクターということで、授業はオマケ…みたいな雰囲気でした。特にコロナで大学にも入れない状況が拍車を掛けて課題をメールで提出して終わりでした(入学以来、7回しかいけていない)。 授業に期待をしていたわけではないですが、ちょっと残念な感じでした。

 ただ課題自体はそれなりに大変で、締め切り前は課題に忙殺されていました。

 

 大学院のオンラインでの授業には、がっかりでしたが、大学院生の身分をGetすると

Courseraの授業が年に1コース、無料で受けられます(多分…)。

www.coursera.org

 

 趣味や業務で稀に画像処理をやっていたりするので、AndrewNg先生の講義を受講してみました。プログラミングの課題もガッツリあるし、講義を聴くとなんだかすごくAIに詳しくなった気になれるので、ものすごく満足度が高かったです。

 授業を取って知識を得たいだけなら、Courseraで十分なのかもしれません。

ただ、玉石混交みたいで、AndrewNg先生以外の講義も2個ほど取りましたが、

そちらは微妙でした。

 

結論としてはAndrewNg先生の講義がとっても素晴らしいということで。

 

時間ができたら、他の講義も受けてみようかな?

 

 

研究

修士までと異なり、博士後期課程と言ったら、査読の論文を掲載させないと卒業できません。(注 分野によっては違うかも)

 

入学前より研究を開始していたので、入学時点で査読論文2本掲載されていました(といってもたいした雑誌ではありません)。ただでさえ、3年で卒業するのが大変な博士後期課程、学費と時間を節約する意味でも入学前の論文をカウントできるのは心強かったです。

入学前の論文をどこまでカウントできるのかは、指導教官や大学によって異なるので、入学する前にチェックすると良いかもしれません。一応、指導教官からは(最初の2本がショボかったから)3本から4本程度は欲しいね…と言われていました。

 

入学前から2本論文を書き終わり、入学時点で3本目の実験を始めていたので、楽勝ムードでした。

 

ただ、入学後の1年目に(主に社内の)ゴタゴタに巻き込まれ、3本目の査読論文の投稿は遅れに遅れ、D1の間にできたのが、結局 国際学会の発表(査読無し、@自宅)という体たらく。投稿までこぎ着けたのがD2になった直後でした。内容にはそれなりに自信があったので自分の研究分野の中では割と良い雑誌に投稿したところ、1ヶ月程度で、あっさりリジェクトされました。

この時点で最初にあった貯金(時間的余裕)はだいぶ無くなっていました。リジェクトされた理由も割と理不尽で、ゴタゴタから回復仕掛けていた心がポッキリ折れました。

 

仕方が無いので、知名度的に微妙な雑誌に再投稿したところ、2,3ヶ月程度であっさりアクセプトされました。

掲載雑誌的には不満が残りますが、Dに入学して, 1年半で3本目の査読論文が掲載されました。

 

3本目の論文が査読をうけている内に、4本目の論文に着手しました。この時点では入学前の論文だけしか手持ちの駒がなかったので、結構焦って計算とかやって、バタバタと論文にまとめました。アイディア自体は前々から暖めていたものだったので、あっさりと論文がかけました。内容自体はショボいので、背伸びをせず、アクセプトされそうな国内の雑誌に投稿したところ、3本目の論文がアクセプトされてすぐ、こちらもアクセプトされました。

 

ということで、D2の半分にノルマを(一応は)達成できました。

そうすると欲が出てくるもので、もう1本ぐらいいけるような気がしてきました。

とりあえず、4本目の論文を発展させて、5本目の論文をまとめました。原著論文というほどでも無かったので、ショートコミュニケーションで出したところ、厳しい査読意見はつかず、Introの再構成と英文法の修正程度でD3になってすぐにアクセプトされました。

 

そしてD3になってすぐ、博士後期課程の最後のチャレンジとして、もう1本、原著論文を投稿しました(注10月入学です)。自分としては、最も良い雑誌に投稿したので、不安でソワソワ状態です。アクセプトが卒業に間に合わなくても、卒業できないなんてことはないですが、これまで本数を稼ぐために投稿雑誌はかなり妥協してきたので、ここで本命の雑誌に1本ぐらい通したいというのが本音です。

今は大学院生の身分があるので論文投稿できていますが、卒業後、今の会社が論文の投稿を許可してくれるとは思えないので…。

 

ちなみにこの6本目の論文、3本目の論文の修正と5本目の論文とほぼ同時並行で作業したので、かなり無理をしました。

投稿作業完了後、かなり体調が悪化したので、ダメージは大きかった…。

 

最後の原著論文が投稿し終わった11月の中旬、コロナで昨年は開催されなかった研究大会(国内)が開催されました。

久しぶりの(オンラインじゃない)リアルの大会ということで、参加してきました。会社では研究の専門的な話をしても誰とも話が通じないので、フラストレーションが溜まって溜まって仕方が無かったのですが、一気に解消できました!!

卒業するという意味では、国内の学会で発表しても何の足しにもならないわけですが、やっぱり学会って情報を集める意味では重要ですね。

 

そして、「優秀技術賞」にも何故か選ばれて表彰されることに…。結構、優秀賞の枠が広く、ショボいと言えばショボい賞なのですが、社会人になると中々表彰されることはないので、うれしかったですね。

 

 

研究関連は、自分の実力から考えると望外の結果を得られた気がします。

 

 ポンポンと査読に通ったように見えますが、卒業要件として認められるギリギリの下限の雑誌(国内の学会誌 etc.)に投稿しているので、あまり褒められたものではないです。

 

博士を取るのを第一優先とするなら、卒業要件を満たしやすい大学院に入学するとか、社会人博士を受け入れた実績が多い研究室を選ぶとか、そういう事前の下調べでかなり難度を下げられそうな気がします。査読論文なしで卒業できるとかは流石にどうなのかな?とは思いますが…。

4年、5年と社会人ドクターすると精神面、金銭面でゴリゴリ削られると思うので。

ちなみに所属する研究室は、入学時点で社会人ドクターの先輩(他社)が1人にて、その人もちゃんと3年で卒業してました。

 

論文も、入学前の2本目の論文を除いて英語で書いたので、多少は英語スキルも伸びたかも…。

次は博論をまとめ始めたいところ。正月休み頑張るか…。

 

 

会社

 会社自体はそこそこ利益を出しているようですが、所属部署は現在進行形で崩壊していっています。

うちの部署のエース級が転職したり、そのほかの人も休職したり、異動願い出したり...、人の移り変わりは早いです。

 

研究開発部門のハズなのに、ほとんどの人が研究開発をしていません(私ともう一人ぐらい)。

研究開発しないものだから、研究開発と言う名前の、脳死丸投げが横行したり....(当然、研究できない人間が丸投げしてうまくいくはずもなく)

 

同僚は「研究の文字?リクルートで優秀な学生を騙すためだよ」とか言っていました orz 

就職する人は気をつけましょう。

 

将来(卒業後)どうしよ…。

 

 

資格試験

 学生の身分をGetできると資格試験も格安で受けられるので、何個か受けてみました。転職の足しなるかもしれないしね。

 

 D1冬 Deep Learning G検定(2020 #1)

 D1夏   Python3 エンジニア認定データ分析試験

 D2夏   画像処理エンジニア検定エキスパート(2021年前期)

 

一応、全部受かったので良かったです。

 画像処理エンジニア検定エキスパートはそこそこ準備は大変で、3,4ヶ月ぐらいはコツコツ勉強したかな?(ちなみにG検定は10時間ぐらいしか勉強しなかった。)

 

博論が落ち着いたら、またなにか取ろうかと考えてます。

 

 ちなみに、AIも画像処理も大学院の研究とは関係ない趣味分野です (キラッ

 強いて言えばpythonは使っているかな?

 

 

学割関係

定番のアマゾンプライム以外にも…

 大学がMSと契約していたのでOfficeは無料でダウンロードできました。レポート書いたり、中間発表のプレゼンを作るのに有効利用できました。卒業後も手続きすれば使えるんだっけ?

 

 論文も大学が契約しているので、読みたいものをダウンロードできて幸せです。入学前は自腹で買ったり、高い印刷料払って近所の大学図書館で印刷させてもらったりしてたので、費用気にしなくても最新の論文読めるのはうれしい。

 

 学生になったら学割で旅行してエンジョイするぜ!!と思っていましたが、結局、新幹線とかの学割は1度だけ使ったきりで、あまり使えていません。

 PCとかも学割で買えるみたいなのですが、子供でも普通に学割がきくということで、急いで買う必要が無くなっていました。本当は学割を使えることを交渉材料に、奥さんにPCの新調を提案するつもりでしたが、良心が痛んだのでやっていません。

 

 さらにMatlab, CADのようなソフトも無料、格安で購入できるものが多数あるので、つかってみたいのですが、社会人学生、時間がねえええ。

 

 

 

終わりに

つらつらと、2年ちょっと分の学生としての活動内容を書いてみました。もっと学生の身分を生かして遊びたかったけど、ひたすらパソコンの前で課題をやって、実験データの分析をして、論文書いていた記憶しか無いです。

爽やかなキャンパスライフなど夢のまた夢だった。

 

指導教官曰く実は博論の審査のハードルがわりと高いらしく、まだまだ試練は続くようです。

 

来年には卒業できるといいな。

 

 

 

 

 

 

 

今の会社から…。

ヒキヌキ、オマチシテオリマス。

書評:アケメネス朝ペルシア-史上初の世界帝国

www.chuko.co.jp

 

 なんと、日本語でアケメネス朝の通史が発売されるとは....、それだけでも十分に価値が。

学生時代、意味も無く、アケメネス朝の歴代の王を丸暗記したのを思い出します。

 

 史上発の世界帝国、アケメネス朝について、歴代の王毎に歴史をまとめた書籍。

世界史ではどちらかというと、ギリシャアレキサンダー大王の引き立て役としての出番が多かったアケメネス朝について、ギリシャ以外の資料も参考に解説されている。

 とは言うものの、時代が時代、中国では春秋戦国に当たるような大昔の帝国だけに、歴史資料の偏りが多く、「諸説あります」というのが多々出てくるのは仕方が無し。

 高校レベルの教科書で常識のように書かれている「アケメネス朝は宗教的に寛容」というのが、ユダヤ人から見た一側面にすぎないというのは新鮮。そしてアケメネス朝の前のメディア王国が本当に存在したかどうかすら怪しいとは…。高校の教科書やと無茶苦茶でかい領土もってたやん!

 

 残念なのは、広大な帝国の西半分に記述が偏っていること。これは歴史資料の偏りからも、読者の興味の方向性からしても、仕方がない部分かもしれません。

私としては、もっと知りたかった部分ではあるのですが。

書評: Pythonによるあたらしいデータ分析の教科

とあるキャンペーンにて、物理本を無料でプレゼントで頂いたので。

(一応電子版は自費で買った)

 

Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 (AI&TECHNOLOGY)
 

 

目次
第1章 データ分析とは
第2章 Pythonと環境
第3章 数学の基礎
第4章 ツールの基礎
第5章 応用:データ収集と加工

 

 

対象読者

Pythonの文法がある程度わかっている人。

 

学べること。

科学技術計算でよく使われている以下のライブラリについて、基本的な使い方が学べる。

Numpy : 効率的な多次元配列の計算

Pandas: 表形式のデータの加工

Scikit-learn: 機械学習

 

良いところ

・環境構築についてはPython標準の仮想環境の作り方が丁寧に書いてあって結構好感が持てた。

 この手の教科書で多いのが、「Anacondaで一発」とか「Colabでok!」なので。

 

・最初にNumpy, Pandas, Scikit-learnを学ぶのだったら、これぐらいの内容を知っておけば、あとはググったり、ドキュメントを読めばなんとかなるかなあ…ぐらいの内容がコンパクトにまとまっている。

 

・情報量がそこまで多くないので、Numpy~Pandas にあまり詳しくない人が、頭から順番に読んでいくとGood。(ある程度詳しい人が読むと、情報量が少なくて辞書的な使い方もできないので、少し残念になる)

 

・「Python3エンジニア認定データ分析試験」の教科書。

  →一応、受かった。

 

ちょっと残念なところ

・「Pythonの文法」と「数学の基礎」の情報が断片的過ぎて、使いどころがよく分からない。

三角関数」、「微積」、「統計(正規分布など)」、「グラフの種類」 etc.のような情報を20ページほどでまとめても、知っている人(高校で数3Cを勉強した人)には簡単すぎるし、知らない人には、別の教材を使って勉強したほうが、わかりやすいと思う。

 

・Scikit learnのデータセットがiris or 乱数

     一応bostonのデータセットも扱っていてはいたけど。

     digitsとかwineとかもう少し色々使ってみてもよい気がする。

 

・Scipyに関する話題がほぼゼロ。

 Scipy重要だと思うんだけどなあ。できることが多すぎて、説明が大変かもしれないけど。

 

総括

numpy初めてだけど~、みたいな人には良い教科書だと思います。

資格試験の教科書ということで、改訂版とかそのうち出ると思うので、ぜひより良い内容になってほしいと思います。

 

ちょっとだけ追記

会社で紹介したら、プログラミング初心者?の方々には好評で、2、3名ほどpythonでforとかifまでを覚えた後、これを使って勉強しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある社会人Dr. の入学~1年目終了まで

本ブログは社会人学生Advent Calendarの 11日目の記事です。

adventar.org

 

 自己紹介

しゅんしんくん(仮名)と申します。2019年10月に博士後期課程に入学。現在、大学院の2回生になって数ヶ月、ピチピチ(?)の30歳です。

twitter.com

 

 とある企業(Japansese Traditional Company)の研究開発部門(多分)に所属していて、日夜クレーム処理、お偉いさんがちらっと眺めて後は永久に使われない会議資料作り…etc.に励んでいます。

 専攻としては機械工学(?)関連で、とある場所にセンサーを取り付けて、そのデータの分析をメインの研究テーマとしています。機械工学関連の研究ですけど、Python(scipyとかmatplotlib)を使っている方が長いです。

 卒業後の予定は未定ですので、興味がある奇特な方がおられれば、是非ご連絡ください(オイ)。

 この記事では、社会人Dに入学するまでの経緯とD 1年目終了時の感想について、書いていきたいと思います。誰かの参考になると良いなあ~。 

 

 

就職活動~就職まで

 話は学生時代に遡ります(今も学生ですがwww)。当時23歳。材料系の修士の学生でした。

 当時は何の疑いもなく、研究をこのまま一生続けるんだろうなと思っていました。ただ、博士後期課程には進みたくても、沢山、沢山、お金がかかります。結婚したい彼女がいた当時、お金は大変重要な問題でした。就職するまで、後3年も待ってなど口が裂けてもいうことができません。そこで修士卒で研究できる会社を探すことにしました。

 

 しかし、理系の花形、研究職!なかなか就職は決まりませんでした。いろんなじゃぱにーずとらでぃしょなるかんぱにーで研究をやりたいですと言っても、あまり響かず、たくさんお祈りメールをもらいました。

 

 けど、今考えたら当然なんですよね。たいしたスキルもないし、研究実績もなく、東大、京大…(以下略)でもなく、無駄にこだわりの強い学生なんて、企業からしたら、ノーサンキューなんですよね。

 そんなこんなで連戦連敗を続けて無い内定を続けたところ、とある企業を求人を大学の事務のファイルで見つけました。その企業を受けて、元気よく「研究がやりたいです(意訳)」と言ったところ、(なぜか)内定が出ました。

 後で知りましたが、大学の専攻である「材料」全く関係ない会社でした。

 

就職~配属

大学院(修士)を卒業して意気揚々と就職してどこの企業でもおなじみの新卒の社員研修に望みました。

 そこで言われたのが、

 「うちに研究部門は存在しない」

なんだとーーーーー。何故、内定を出した。

とはいえ、(絶望感にさいなまれつつも)退職するわけにもいかず、新卒ガチャ。

「技術部(仮名)」という、それっぽい部門に配属されました。

「ヤッター」と思ったのもつかの間、

 

比喩抜きで、ただの「姥捨て山」でした。

やっぱり絶望した。

 

これ以上、この部署について、言及するとイロイロまずいので、やめておきます。

 

社会人Dに入学するまで

とは言うものの、技術部門、一応大学との付き合いがありました。そこで出会ったのが、現在の指導教官です。

 先生とお付き合いしている内に、「博士課程(社会人学生)」の話が出てきました。

 指導教官より出された条件は、入学までにある程度の研究実績を残すことでした。

 

当時、その分野の知識がほぼ皆無だった私にとって、長い時間でした。まず基礎的なところから勉強して、論文を読み…。

 

苦労したのが、設備面でした。なんどか(非常に原始的な)実験器具を自作しようとしました。結局何の役にもたたなかったので、プログラムを組み、計算をメインで研究を進めました。

 

 イロイロな制約条件のため、指導教官の研究室では、割と珍しい研究方法になりました。しかし、この制約があったからこそ、今の研究で(少しだけ自慢できる)結果を出すことができましたし、プログラミングとかも覚えることができました!(入社までやったことなかったですし、部署内でプログラムを作る人は皆無です、研究室でもあまりいないかな?)。

 どこかで、「イノベーションを起こすには制約が必要」ということを聞いたことがありますが、それを実感できたと思います。

 

 その間、会社の中で「社会人D」に進みたい人間というポジションは、絶対に堅持し続けました。社内では珍獣扱いでしたし、毀誉褒貶も激しかったです。ただ、社会Dに入学したときの上司が、研究に理解のあるよい上司だったので、非常に助かりました。

 

そんなこんなで、研究実績を積み、無事に入学することができました。

メデタシ。メデタシ。

 

社会人D1

 入学したのは、昨年、2019年の秋。

秋入学なので、入学式も存在せず、ちょっとだけ寂しかったです。

 

 入学して、国際学会に発表!!!!!と思っていましたが、当然ながら新型コロナの影響で、海外どころか、家から出られず…。これぞ泣き面に蜂。

国際学会はオンライン開催ということになりましたが、

 我が家で「Good Afternoon, I am glad to have a chance to tell you my study ~(以下略)」としゃべったときの 虚無感はすごかったです。顔が見えないのはキツイ。そして、オンライン学会、質疑応答が死んでいて、さらに悲しくなりました。

(Youtuberってすごい!!)

 

 ただ、この大変な情勢でも、少しずつ研究を進めることができ、周囲(特に奥さん)の配慮には、大変感謝してます。2人の息子の世話関連でも、文句を言いつつも、やってくれており、非常に世話をかけています。子供とはなるべく休日は、遊びに行くようにはしていますが、会社員をやりつつ、子育てをしつつ、学生をやるというのは中々うまくできていません。申し訳ない…。

 その意味では、学生も子育てもこなしている社会人学生Advent Calendarの人たちって、超人ばかりな気がしてきた。

 

今後の抱負

 この1年間でだいぶ研究成果が溜まり、入学前後の落ち込んだ状態からも回復したので、今年(D2)はガンガン論文を書いていきたいと思います!!(もうちょっと論文を書かないと卒業がまずいので。)

 

最初は大学院の感想を書く予定が、大学院に入学までのほうが長くなってしまった…。